オーバーホールってなんだ?

器材を新品時の状態に戻すための作業。

オーバーホールとは、使い込まれた機械製品などを新品時の性能状態に戻す作業のこと。部品単位にまで分解して、点検や修理を行い、摩耗した部品に関しては交換するなどして、再度組み立てます。ダイビングではよく使われる言葉なので覚えておきましょう。

オーバーホールで器材も長持ち!

ダイビング器材は自分の物を持って、いつ何時でも安心して使えるように慣れておくことが大事です。アウトドア仕様になっているとはいえ、お手入れを怠ると塩が固まって調子が悪くなることもあります。定期的にオーバーホールに出すことで器材を長持ちさせることが出来ます。せっかく買った高額な器材なので大事にお手入れしましょう!

オーバーホールの基本Q&A

Q.オーバーホールにはどんな器材でも出せるの?どの器材を出すべき?

A.基本的にダイビング器材は海で使用するため、塩が問題になります。マスク・フィンなどのゴムやプラスチック製品は水やぬるま湯で問題ありませんのでご自分でも出来ます。いわゆる機械物の操作部が特に手入れが必要になります。ですから、BC・レギュレーター・オクトパス・ゲージ・ドライスーツのホース等をオーバーホールに出すことになります。

Q.どれくらいの割合でオーバーホールに出すといい?

A.一般的には一年に一度か、一年以内でも50ダイブ以上したところでするのがよいでしょう。レギュレターは知らず知らずのうちに呼吸抵抗が出てくるので、抵抗を感じた頃がいいです。また塩がみや砂がみが見受けられる場合はすぐに出した方がいいですよ。インストラクターにアドバイスを求めるのも良いでしょう!

Q.1年間ほとんど潜っていないけど、オーバーホールに出す必要はある?2年に一度ぐらいでも大丈夫なのでは?

A.一概に良いともいけないとも言えません。実はメーカーや機種によってパーツの強度が変わっております。そのために1年間潜っていなくてもタンクに取り付けてエアを通すとエア漏れが出る可能性もあるのです。ブランクがあいた場合は前もってショップでエア通しをするとよいと思います。私どもとしては目にしてない分、安全性から考えるとオーバーホールをしておくべきでしょうね!

Q.オーバーホールは自分で出来る?

A.メーカーの講習・知識・道具・設備・経験・実績などがかなり必要となりますのでできません。

Q.長年使っていなかった器材でもオーバーホールできる?

A.メーカーに純正交換部品が供給されていれば、またはオーバーホール専門店などに在庫があれば可能です。でも、ホース類はゴムの劣化。硬化により交換となり部品代が高額となります。
また、プラスチック類も劣化・硬化して割れやすくなったりしますので、今後のご自身のダイビングスタイルを考慮して、買い換えやレンタルなどトータル的に検討されるといいと思います。

Q.オーバーホールにはどれくれいの時間が必要?

A.通常納期は2週間です。時期によっては前後する場合がございます。お急ぎの場合はご連絡をいただければ短納期でも対応いたします。

Q.オーバーホールの料金はいくらぐらい?

A.フルセット(レギュレーター(1st+2nd)・オクトパス・ゲージ(残圧計のみ)・BC(インフレーター部分)で¥9000(税別)です。それとパーツ料金が別途かかりますので、合計で平均¥15000程ではないかと思います。あくまでも目安ですのでメーカーによったり交換パーツ以外のホース交換がある場合は合計金額は前後します。

Q.どんなメーカーの器材でも受け付けてもらえますか?

A.国内販売の物に関しては一部を除いてほぼ対応可能です。海外で購入された器材に関しては国内にて販売されている製品に準ずる物に関しては、オーバーホール自体は可能です。消耗パーツ保証などの保証に関しては受けられない物がありますのでご注意下さい。
オーバーホール取り扱いメーカー 一覧に関してはこちらをご覧下さい。

Q.オーバーホールに出したすぐ後にレギュがフリーフロー。どうして?

A.可能性としては多々あるとおもいますが、ヒューマンエラーとして考えられるのは調整ミスや組み立てのミスなどがあります。または耐久性が確認できないパーツ(毎回交換指定があるパーツではありませんが、使用していく中で経年劣化し、耐久性が下がりフローを起こしてしまうなど)であったことも考えられます。同じようなことが二度と起こらないように、ここのパーツは以前このような症状が出たことがあるので交換を勧めるなどして、お客様と相談しながら作業を進めています。本当はすべてのパーツを交換したいのですが、費用が高額になってしまうのでできるだけコストを抑えて作業させていただいております。

Q.レギュレーターのホースの根本がしわしわに。オーバーホールの必要はある?

A.特に必要です。ホースのゴム部はタイヤと同じで使用されれば弾力性はあっても”山”が減り、使用頻度が少なければ”山”は新品でもひび割れたり剥離したりしわしわになったりします。
残圧計の高圧ホースはタンク圧が最高圧のときから減っていきますので、破裂するなら初めのほうで破裂してしまいますが、中圧ホース(レギュレータ・オクト・BC)はタンク圧が減ってもあまり極端に変化しませんので、逆にいつ破裂してもおかしくない状況です。出来れば定期的に交換されるのがベストですが、少しでも異常があればそれは事故が起きるサインと思った方がいいでしょう。

Q.BCに空気が入りっぱなしに。オーバーホールで治る?メーカーに出した方がいい?

A.オーバーホールで治ります。エアが入りっぱなしということはインフレーターは作動していますので、作動部分に問題があります。オーバーホール作業で修理が可能です。購入したばかりの場合などはメーカー保証作業になりますので、メーカーに送る場合もあります。ですから購入時の保証書等は必ず保管しておきましょう。

 

オーバーホールはこう行われる!

1.受付・検査

予め店に連絡後、オーバーホールしたい器材を直接持ち込むか郵送・宅配する。フリーフローなどの不具合がある場合は具体的に伝えてください。メーカーの保証書がある場合は同封して下さい。

器材が届いたら、外見のチェックをはじめ、タンクに器材をつないでフリーフローの有無やファーストステージの中圧値、セカンドステージの呼吸抵抗値などのチェックを行います。

2.分解

ひととおりの検査終了後、速やかに器材をそれぞれのパーツに分解していきます。レギュレーターならファーストステージ、セカンドステージ、ホースと分解し、外せる部品はすべて外し、各パーツの劣化状態をチェックします。交換が必要な部品があるかどうかこの段階で確認します。一度の作業で扱うのは1セットのみ。すべて手作業で行います。